40代になる独身女性が海外移住をして失ったものと手に入れたもの 

40代の独身女性が海外移住をしてみた経験

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もうアラフォーだし、新しいことに挑戦するのは周囲の視線がきつくなるな。

でもこのままずっと日本で老いていくのは何か違う…

この年齢から海外移住を考えるのはおかしい?

このジレンマよくわかります…

私自身、37歳で社会人留学をしてパンデミックで失敗し、40歳になる直前で海外移住を果たしました。

海外旅行は好きでしたが、留学経験もなく、英語も流ちょうにしゃべれない中、自分自身を谷底に突き落とす気持ちで挑戦してみました。

この記事では、年齢とやりたいことのギャップが広がりつつあり、焦りと同時にどうしても諦めきれない思いを抱いているアラフォー世代の方に向けて書いています。

少しでも自分の生き方を振り返るお役に立てればと思います。

ナナ

お問い合わせやご相談はinfo@nljobnavi.comからどうぞ

目次

アラフォーで海外移住はすべきか?

「べき論」になると「個人の感想による」になってしまうので、何とも言えないものの…

しかし、以下の2点において自信があるなら「してみてもいい」と言えると思います。

お金があるか

絶対に必要だと思うのは、お金です。

私は約10年で8桁近くまで貯め、「最悪、オランダで2年間収入ゼロでも生活していけるだけの余裕」を作っておきました。

※2年と言うのはオランダのフリーランスビザの更新期限

これがヨーロッパではなく東南アジアなら、物価の関係でもっと余裕が出るはずです。

若ければ貯金ゼロになってもやり直せる可能性が上がりますが、40代ともなるとよほど起業力でもない限り難しい。

金銭的余裕はあるほどいいので、海外移住を視野に入れるならまずは貯金額と向き合いましょう。

仕事の当てはあるか

現地でももちろんそうだが、帰国した際に仕事の当てがあるかどうか、再就職できる見込みがあるかどうかを考えておくことが重要です。

私は海外に移住する前提ではなかったものの、「いつ何時でも手に職があるように」と医療関連の資格を取っていました。

(この資格取得のために若い頃の海外留学を諦めたわけで、それが何年も尾を引いて現在につながるのだが…)

結果的にこの医療資格によってスキルを磨いてきた9年間のキャリアがあるので、たとえ2年離職していようと、帰国したらどこかしらで就職先はあるだろうという見込みはありました。

帰国後のキャリアプランが多少でもあると精神的にも安定します。まずは「手に職」あるいは個人事業主として稼ぐ手段を持った方がいいですね。


ただし、貯金も仕事も老後の保障をするものではありません。(当たり前だけど)

安定した老後を迎えたいなら、よほどの資産化でない限り、そもそも海外移住をしようなんて思わない方がいいでしょう。

ナナ

私は「老後が安定している保証なんて誰にもわからない、人間いつ死ぬかわからない」と常に考えていたので海外移住に挑戦してみた

40代独身女が海外移住をして失ったもの

さて私は実際にオランダに引越してみて、「ああ、これはもう手に入らないな」と実感したものがあります。

絶対的安心

言葉が通じない(相手の意図が分からない)リスク、テロの脅威、アジア人ヘイト…日本を出るとそんな危険にさらされるようになります。

オランダは移民の国であり、色々な人種の人々が生活しているため、特定の人種だけ差別されているような感覚はありません。

それでも白人至上主義の考えを持っている人は一定数いるようで、日本にいる時には思いもよらないリスクがあることは常に考えてる必要があります。

日本では身近に感じなかった宗教や言語に頻繁に触れるので、「ここはもう日本じゃない、同じ感覚でいてはいけない」と思い知ります。

気軽な医療体制

オランダで医者にかかるには、いったんハウスアーツというホームドクターを経る必要があり、そのためにはいったん予約が必要です。

日本のように「今日はちょっとのどが痛いな」「熱っぽいな」だけで、「病院寄ってから出勤します」ができません。

しかも、保険は民間の医療保険に加入するしかなく、これが高い。

私は毎月140€ほど保険費用を支払っていますが、ピルの処方をしてもらった時は、保険料と合わせて380€(約5万円)もかかりました。

その代わり薬局ではプライベートブランドの薬がめちゃくちゃ安いので、「風邪程度は自力で直す意識」に変える必要があります。

有利な社会的地位

安定した職、保証された身分、言葉に不自由しない生活、身分証を持ち歩かなくても「誰が見ても日本人」という社会の一員である安心した感覚…

どこにいても困らず、むしろ困っている人を助ける側の立場。

そういう社会的地位や余裕は一切合切なくなり、無力でコミュニケーションすら危うい身分になりました。

普通の人ならわざわざそんなリスクを冒して不自由な生活をしてみようとは思わないでしょう。

40代独身女が海外移住をして得たもの

逆に「こんなものが手に入った」といういくつかを紹介します。

恥ずかしさを捨てて英語を話そうとする力

英語を話そうとする力…これこそ、私が長年求めていたものでした。

(「英語が話せる力」ではなく、恥ずかしさを捨てて「話そう」とする力です!)

日本にいると典型的な英語コンプレックスのあまり、脳が英語に対して拒絶反応を起こしていたものの…

オランダに来たら英語を話さざるを得ないので、四苦八苦しながら英語のアウトプットをするようになりました。

ナナ

インプットもしないと上達しないんだと分かったけど…

パートナー

日本では恋愛関係に失敗ばかりし、婚活もしたことがないほど不器用な人間でしたが、オランダに来てから、マッチングアプリでとても気の合うオランダ人と出会えました。

日本では年齢を気にして「新しい恋愛は無理かも」と思っていても、場所が変われば自分の価値も変わるんだと感じられます。

自分では如実に老いを感じていますが(小じわ、シミ、白髪)、オランダ人のパートナーは4歳年下。

彼によると「確かに日本人は実年齢より若く見えるけど、そもそも自分は年齢とか全く気にしない」とのことです。

とかく若い女性が好まれる日本にいたら、このチャンスには巡り合えなかったので、これはとてもありがたいことですね。

新しい価値観(時に理解に苦しむ)

  • 店内にいたご老人がBGMのクリスマスソングを歌い出して、別のお客さんが唱和して笑い合っている。
  • バス同士のすれ違いで、運転手同士が互いにラッパーのポーズをとって笑っている。
  • お寿司初の義父がナイフとフォークでお寿司を食べようとしている。

そんなほっこりするシーンを見ます。

一方、

  • きれいな芝生は飼い犬のフンだらけだ。
  • 家の中は裸足と土足が混在している。(これは最も理解できない現象…)

そんな価値観の違いを目の当たりにします。

新しい価値観を目にするたび、頭の中のコリがほぐれて柔らかくなるのを感じます!

ナナ

これは日本では味わえない感覚です!

人と比べない視点

日本にいるのと違い、身分も条件も何もかもが違うので、つい人と比べてしまって劣等感を感じることがなくなりました。

日本にいるとどうしても年齢や外見、独身であることや社会的な立場を他人と比べてしまい、勝手に傷ついたり寂しさを感じたりしてしまうことがあります。

海外に出ると、そもそも比べるものがない。

メイクもファッションもみんな自由、みんな年齢不詳!

英語、オランダ語に精通しているわけでもないので、悪口や文句を言われたとしても気づかない!

「誰が何を考えているか」「口に出さずとも思っていることは何か」を常に考えていた日本と違い、他人を気にしなくて済むのは本当に楽です。(もちろん迷惑を掛けない前提で)

ナナ

「それって逃げてるだけじゃない?」と言われるかもしれないけど、どんな理由だろうとも、死ぬときに幸せなら何でも良くない?

まとめ:何かを捨てると片手が空く

私は日本ではそれなりにいい給料をもらい、安い家賃で貯金もでき、安定した生活を送っていました。

でもオランダに来て、それらをすべて捨てたからこそ手に入ったものがあると実感しています。

海外移住は簡単ではありませんが、なんにしてもやってみないとわかりませんよね。

とりあえず、「お金さえあれば」ビザもとれるし生活もできます。

フリーランスビザは2年間の在留許可が下りますが、その中の1年だけでもいいから日本を出て、不自由な生活と新しい価値観を体験してみる価値はあると思うのです。

※現在筆者は、オランダで「オランダ JobNavi」という求人・起業サイトを運営しています。
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